トビタテ!日記 @ マレーシア ~理系大学院生がマレーシアの最高学府から世界へ飛び立つその日まで~

建築・土木専攻の理系大学院生が,マレーシアでグローバルに活躍するエンジニアを目指す修行の日々をつらつらとお伝えします.

マレーシアの最高学府!? University of Malayaってどんな大学?(世界大学ランキング編①)

マラヤ大学とはどんな大学だろう?

 

日本出発前に「マレーシアのマラヤ大学に留学します」というと,

ほとんどの方から

 

・「なんでマレーシアなの?」

・「マラヤ大学ってどのくらいのレベル?」

・「東南アジアの大学より,日本の大学のほうがいいんじゃない?」

 

という声を聞きました.

 

そこで,今回は自分が交換留学先として選んだ「マラヤ大学」を世界大学ランキングという視点からご紹介をします!

 

マラヤ大学University of Malaya)の世界大学ランキングは?

 

世界大学評価機関のイギリスQS社による大学ランキング

QS大学ランキングでは2016年時点で,マラヤ大学世界総合第133位,世界工学系部門54位,アジア総合第27位という位置にいます.

www.topuniversities.com

 

いまいちピンとこないと思いますので,日本の大学はどうなのかというと

 

東京大:世界総合34位,工学系部門12位,アジア総合13位

京都大:世界総合37位,工学系部門28位,アジア総合15位

大阪大:世界総合63位,工学系部門70位,アジア総合17位

千葉大:世界総合551-600位,工学系部門ランク外,アジア総合128位

マラヤ:世界総合133位,工学系部門54位,アジア総合27位

 

このような感じです.

さすが東大,京大,阪大です.まだまだ世界でも上位!

我が千葉大は.......悲しい笑.いやいやもっと上位にいるだろ!

 

自分は工学系専攻なのですが,マラヤ大学は工学系が強くアメリカのパデュー大学,コロンビア大学とほぼ同じ評価でした.

 

世界大学ランキングは他にもあり,

 

上海交通大学の「世界大学学術ランキング」

  http://www.shanghairanking.com/index.html

・イギリスの高等教育専門週刊誌『タイムズ・ハイアー・エデュケーション』の「THE世界大学ランキング」

      https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings

 

など一概に世界中の大学を平等にランキングするのは難しいですが,上記の3つのランキングが一般的に利用されています.

世界大学ランキングでは主に,

 

・論文の被引用数

・学術分野や社会における教員・大学の評判

 

という指標が大きな比率を占めているので,ランキングの順位で大学の優劣をハッキリとつけるのは適切でないとは思います.論文の引用数は英語圏の大学が有利に,教員・大学の評判は大学の規模が大きい程有利になるので,必然的にアメリカ,イギリスの大学がランキングで上位になります.

ランキングで一喜一憂するのでなく,あくまで目安の一つとしてとらえるのが適当でしょう.

(一応,千葉大は「世界大学学術ランキング(上海交通大学発行)」においてマラヤ大学より上位.これもランキングの指標が異なるからです.)

 

ちなみに,トビタテ!留学JAPANの『世界トップレベルコース』では上記3つの大学ランキングを参考に上位100位以内の大学であれば申請対象になると記憶しております.

 

個人的な考察ですが,QS社の世界大学ランキングはマラヤ大学にとって有利だと思います.理由は主に2つ,

 

理由①

マラヤ大学がイギリスの大学教育制度と似ている.』

マレーシアは過去にイギリスの植民地支配を受けていました.もちろん,現在のマレーシアでもイギリス植民地時代の影響は残っており,生活のさまざまな部分で感じることができます.(英語表記がイギリス英語,右ハンドルなど).マレーシアの大学の教育制度も,かつてイギリスの植民地であったことからイギリスとよく似ています.

ですので,イギリスQS大学ランキングで高評価を獲得しやすいと考えられます.

日本と異なり,1つの講義はチュートリアル本講義に分かれており,3時間が一般的で本講義では知識や具体例を学び,チュートリアルでは本講義を基にプレゼンテーションやディスカッションが行われます.

 

理由②

『留学生の数がとても多い』

マラヤ大学全学生のうち20%以上が留学生です.この留学生の比率が高いほど世界大学ランキングでは高得点が加算されます.

 

以上の理由により,マラヤ大学では「多国籍の学生とグループワークやディスカッションを中心とした講義が展開され,学生が能動的に勉学に励む環境がある」と言えます.

学内では英語,マレー語,中国語が飛び交い,肌の色や宗教が違う人が一緒に学生生活を送る光景は,人種のるつぼと呼ばれるアメリカよりもエキサイティングなのかも知れません.

 

 

大学選びに世界大学ランキング?

 

実は,自分が留学する大学を選ぶ際,世界大学ランキングを参考に大学を絞り込みました.

まず,世界大学ランキングから興味のある大学を選択し,千葉大学の協定校にその大学があるか確認しました.

候補として,

 

マラヤ大学

・アールト大学(フィンランド

スイス連邦工科大学

 

が最後に残り,自身の専攻分野と将来就きたい職業を考えた結果,

 

・東南アジア

多民族国家,多文化,多宗教

イスラム教が国教

 

であるマレーシアに留学しようと決めました.

 

自分は将来,

『急成長を遂げる東南アジアで多国籍のエンジニアと文化や宗教を超えて協力し,インフラや資源問題に取り組みたい』

という夢を持っているので,まさにベストな選択であったと思ってます.

 

けれども,はじめから「マレーシアに留学」すると考えていたのではなく,「世界大学ランキング」と「大学の協定校」,「自身の専攻&将来のビジョン」に完全一致したのがマラヤ大学だったのです.

 

もし,世界大学ランキングや大学の協定校にマラヤ大学がなければ,留学先をフィンランドにしていたかもしれませんし,留学をしていなかったかもしれません.

 

まず,留学したいと考えるようになったら世界大学ランキングを確認することをお勧めします.そして,行きたい大学をリストアップして早めに大学の協定校をチェックします.最低でも留学に1年間の準備期間は必要だと思うので,少しでも興味があれば調べるだけでモチベーションも変わりますし,自己のキャリア形成にも役に立ちます.

 

実際,自分の場合は大学2年生の時に留学をしたいと考えるようになりましたが,専攻の都合上,一級建築士の受験資格を得るのに必要な単位を取らなくてはならなかったので,学部時代に留学は叶いませんでした.

けれども,大学院での留学を視野に入れていたので,学部卒業前から世界大学ランキングをチェックし,交換留学とトビタテ!留学JAPANの選考をパスして,大学院進学後に奨学金を獲得しスムーズに留学をすることができました.

 

話が逸れましたが,マラヤ大学は世界大学ランキングで上位にいることから,東南アジアや中東方面から優秀な学生が学びに来ています.また,ムスリムの学生にとってイスラム教国家であるマレーシアは生活しやすいというのも中東方面からの学生が多いという理由の一つであるとも思います.

マラヤ大学には,Faculty of Islamic Studiesという学部もあるので,ムスリム学生と一緒に勉強・交流する貴重な経験もできます.

 

いかがでしょうか?

世界大学ランキングからマラヤ大学を見ると,留学生が多くイギリス式の講義が行われているという特徴が見えてきます.

また,研究実績も高く評価されているので今後さらに優秀な学生がマラヤ大学に訪れるのではないかなと思います.

 

日本の大学も負けていられませんね!

東南アジアの大学は今ぐんぐん実績を伸ばしているので,その内抜かれてしまうかもしれません.世界大学ランキングを見るとそのことが顕著です.あくまで指標の一つですが,切磋琢磨して日本の大学も世界上位で戦えるよう自分たちも頑張らねばと気合が入ります!

 

 とりあえず英語もっと話せるように努力しないと...

 

次回こそ,これまでの留学を振り返っていこうと思います.

 

最後までお読みいただきありがとうございます.

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